ETCサービスを提供する事業協同組合はETC協同組合と呼ばれ、全国に300団体ほど存在すると言われてます。
聞きなれない人からすると「ETC協同組合は怪しい」そう思うかもしれません。しかし、ETC協同組合は、中小企業等協同組合法に基づき設立された組織です。
多くのETC協同組合は真面目に運営しており、特にETCコーポレートカードを利用する事業者は組合の恩恵を受けてます。
とは言え残念ながら質の悪いサービスを提供する組合もあります。ルールを守らない組合も存在します。こういったETC協同組合は怪しいと言われても仕方ないでしょう。
今回の記事では、怪しいETC協同組合とはどういう組織なのか?また何に注意するのか?を解説しようと思います。
怪しいETC協同組合の特徴
多くのETC協同組合は、サービスの内容が多少違っていても真面目に運営しています。稀に遭遇する関わってはいけない怪しいETC協同組合の特徴は下記の通り。
- 口コミの評価が悪い
- 電話や訪問やメールで営業している
- 問合せしても返事がない
- 割引計算が合わない
一番下は組合に加入した後で発覚するパターンです。早急な組合変更をお勧めしますが、手間と時間がかかります。これからETC協同組合への加入を考えている人は、事前に評判等を調べましょう。
怪しいETC協同組合についてそれぞれ解説します。
怪しいETC協同組合は口コミ評価が悪い
当たり前と言えば当たり前ですが、怪しいETC協同組合は口コミの評価が低いです。
しかし、ETC協同組合は事業協同組合。組合員は事業を行っている者(法人や個人事業主)に限定される為、口コミの投稿や評価は多くありません。
組合名で検索しても公式サイトや求人サイトばかり表示され、googleの口コミでも星が無評価だったりします。
ETC協同組合はインターネットに疎い人達が多い為、サクラや裏工作も皆無です。とてもピュアな市場です。
しかし、稀に「怪しい勧誘に合った」「電話営業がうざい」などといった参考になる口コミが投稿されているケースもあります。有益な情報なので必ず調べましょう。
ETC協同組合が電話や訪問でETCコーポレートカードの勧誘することは違反
ETC協同組合から営業の電話があったり、口コミに「怪しい電話勧誘があった」などといった投稿を見かけたら、その組合への加入は全力で回避して下さい。
理由は、ETCコーポレートカードの勧誘はネクスコ(NEXCO)の規約によって禁止されているからです。
当社が、直接お客さまにこのような勧誘をすることはございません。また、ETCコーポレートカード利用事業のみを説明した加入の勧誘行為は禁止しております。
引用元:ドラぷら(NEXCO東日本)
ネクスコとは高速道路株式会社3社の統一的名称であり、ETCコーポレートカードの発行元です。ETCコーポレートカードを取り扱っているETC協同組合はネクスコと契約してネクスコからカードの発行をして貰ってます。
ネクスコからの警告を無視し、勧誘違反を繰り返していると契約が強制解除されてしまう恐れがあります。
ETC協同組合がネクスコとの契約を破棄されてしまうと、被害を受けるのはETCコーポレートカードを利用している組合員です。突然ETCカードが無効になり、ゲートが開かなくなってしまう可能性はゼロではありません。
怪しい電話勧誘をするETC協同組合は口コミに酷く評価されています。加入しないようにご注意下さい。
問合せしても返事がない
とあるETC協同組合の公式サイトに問合せをしたけど、なかなか回答が返ってきません、というケースがあります。
多くのETC協同組合は1990年代に設立された古い組織です。その為、未だに公式サイトを持っていない組合もあります。公式サイトがあっても更新が止まっていたり、新規の受付を断っていたりするケースもあります。
公式サイトを訪問しても稼働状況は分からないので、申込みする前に一度問い合わせをしてみて下さい。
即時返答があった場合は稼働している証拠です。なかなか返事がない場合は活動停止中か、明らかに人員不足。まともなサービスを提供できない可能性があるのでご注意下さい。
割引計算が合わない
ETCコーポレートカードは使えば使うほど割引率が高くなるように設定されています。ETC協同組合に加入後、ETCコーポレートカードを発行して利用したが、割引計算が合わなかった、というパターンがあります。
ETCコーポレートカードの割引率は、発行元であるネクスコの定める車両単位割引が適用されます。しかし組合独自の割引率で計算したり、利用額に対して手数料を差し引いたり、それらの説明をしない悪質な組合が存在します。
また、ネクスコの高速道路は割引するが首都高速や阪神高速は割引しない、その逆に首都高速・阪神高速のみ割引を適用する組合も存在します。
割引計算は複雑な点もある為、利用者が計算を間違っている可能性もありますが、怪しいな?と思ったら別のETC協同組合でシミュレーションを依頼してみましょう。明らかに割引率が低い場合は組合の変更を推奨します。
割引計算については、別記事でETCコーポレートカードの大口・多頻度割引を分かりやすく解説してます。
誠実なETC協同組合に加入しよう
そもそもの話になりますが、ETC協同組合とはどんな組織なのか?サラッと解説します。
ETC協同組合とは、ETCサービスに特化した事業協同組合です。事業協同組合とは同じ目的を持った事業者の集合体、つまり事業者が協同でETCサービスを便利に活用できるようにした組織です。
具体的には、ETCカードの発行管理、ETC車載器の格安販売やガソリンカードなどを取り扱ってます。
- ETCカード…法人ETCカードやETCコーポレートカードの発行管理
- ガソリンカード…キャッシュレスでガソリンを給油するガソリンカードの発行管理
- ETC車載器…ETC車載器の格安販売及び取付
ETCコーポレートカードを取り扱う組合はETCコーポレートカード協同組合とも呼ばれてます。仕組みを知りたい方は別記事 ETC協同組合のETCコーポレートカード解説 を参考にして下さい。
どのサービスも手間と時間をかければ自前で用意できるものですが、面倒な手続きや管理は組合に任せて本業に集中できる利点があります。
ETC協同組合へ加入するには
ETC協同組合は中小企業協同組合です。加入できるのは、中小企業やNPO法人、または個人事業主など。開業届を提出してない個人はETC協同組合に加入することができません。
その他に、一口一万円の組合加入出資金が必要だったり(脱退時に返金される)、事業所や事業目的によって加入できる組合が異なる点にご注意下さい。
事業所…組合に加入する事業者の住所。47都道府県に対応した組合もあるが、加入できない都道府県が一部あったり、本部がある県だけ加入できる組合もあります。
事業目的…定款に記載された業務内容を明示したもの。運送業であればどの組合でも加入できます。製造業や販売業でも加入できる組合は多いですが、対応している事業目的は組合によって異なります。
組合への加入を断られるケースは、事業所や事業目的が一致しない件が最も多く、他の組合なら加入できることがあります。